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第15回:赤単色コントロールデッキ分析レポート
「EX1」環境最後となる関東大会は、「赤単色コントロールデッキ」が優勝!
200人を越える参加者の中、無敗での優勝を飾った斉藤龍河さんのデッキをベテラン研究員Sが解説していきます!
デッキ名:7都市称号争奪戦 関東大会 優勝 「ポニョだよ③」
このデッキは、序盤から相手の動きにしっかりと対応して国力を伸ばし、赤の高国力のユニットとキャラで強力なセットグループを作ってゲームを有利に進めていく盤面構築型コントロールデッキです。
1 : 赤単色コントロールデッキとは
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■ロールコストの管理は計画的に!
ネグザフォーマットでは、大抵のユニットはプレイした後にロールコストがいくつか残ります。
その残ったロールコストで、行動できる事の広さは、デッキの強さを表す一つの指針です。
この「赤単色コントロールデッキ」は、その指針を忠実に守っており、『自軍ターンに行動した後の隙をいかにして作らないか』という事に重点を置いてデッキ構築がされています。
特に注目しておきたいポイントは、相手の行動に対応するためのコマンドに合わせてユニットの選定がしてある点で、全てのユニットがプレイしてもロールコストが3以上余るように構築されています。
《リフレクター・ビット》や《無能な士官》のようなカウンターから《世間知らず》や《武力介入》のようなユニットコントロールカード、さらにはACEの第二テキスト(地形適性を得る効果)と様々な動きを視野に入れたデッキ構築は、ロールコストの組み合わせという視点で見るととても綺麗な構築と言えるでしょう。
■赤単色コントロールを強さとは!?
「赤単色コントロールデッキ」の基本的な動きは、低国力の優秀なカウンターやユニット除去と言ったコマンドで相手の序盤の展開を遅らせ、中盤以降はユニットにキャラをセットし、盤面を支配するというのが主な動きです。
しかし、ここで知っておいて欲しい点は、その低国力の優秀なコマンドはユニットをプレイしたり、ACEの第一テキストを起動した後にでもしっかりとプレイできる点です。
その利点を活かし、自軍配備フェイズ中に行動を取った上で、それらのコマンドを活かして、相手よりも多く行動を取るというプレイングが重要です。
そうしなければ、優秀なコマンドもただの時間稼ぎにしかならず、最後には相手に押し切られて敗北という事になってしまうでしょう。
このデッキは自軍配備フェイズ中の行動と、サポートするコマンドのプレイの両立を高次元で解決した、コントロールデッキと言えるでしょう。
2 :「赤単色コントロールデッキ」のプレイング
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■ユニットは家宝のように扱え!
「ユニットは家宝のように扱え!」とは、「双極の十字星」自らの弁。
デッキレシピを見ていただければわかりますが、「赤単色コントロールデッキ」はその隙のない動きの実現のためにユニットがなんと15枚と「EX1」環境で今まで入賞してきたデッキの中でも1、2を争う少なさ。
その枚数から見てもユニットを大切に運用しなくてはいけないのがわかりますが、《グレミー・トト》や《世間知らず》のようなユニットを前提とした時間稼ぎカードの存在も大きく、ユニットを前提としているゲームプランが狂ってしまうと、それだけでゲームに敗北してしまうほど脆いデッキでもあります。
さらに赤単には「フィニッシャー」と言える強力なユニットがいないため、どのユニットを引いても盤面をひっくり返せるだけのパワーがありません。
その為、ゲーム後半は攻撃にいくためにはキャラを使い強力なセットグループを揃えなくてはいけなかったりと、様々な理由からユニットを場に維持する事が重要です。
そういったデッキの特徴を端的に現した「ユニットを家宝のように扱え!」という言葉は、納得の一言です。
■序盤から終盤までずっと相手の動きに対応!
デッキの基本的な動きは前述の通りですが、相手はこちらの《世間知らず》や《リフレクター・ビット》を警戒し、逆にこちらは「改装」や《GNバズーカ》や《赤い彗星》と言ったような相手のカードに対して警戒しながらゲームが進んで行きます。
そういった状況の中で、重要なのは相手の「フィニッシャー」に対して、こちらのカードを合わせられるかです。
ゲームが均衡したまま進んだ場合、最終的にはお互いに切り札を手札に抱えて、それをどこで披露できるかという勝負になりますが、「赤単色コントロールデッキ」では《比類なき力》と《リフレクター・ビット》で自分からゲームを決めにいけない分、大抵のカードにも少ないロールコストで幅広く対処可能な強みがあります。
また、「ゲイン」や《サイコガンダム》などのテキストを使うことを前提で出撃した敵軍ユニットに対しても、攻撃ステップ規定の効果後に《悲痛な過去》で相手のGをロールし、それらのテキストのプレイを妨げるというのも強さの一つでしょう。
そういった対応の受けの広さが、このデッキの強さです。
3 :「赤単色コントロールデッキ」がなぜ生まれたか?
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■大会分析から誕生したデッキ
このデッキにはキーカードと言ったものが特になく、強いて挙げるならば《ハマーン・カーン》を最大限に機能させるための《キュベレイ》くらいなものです。
そういった意味では、カード1枚でゲームを決定付ける「強カード」というようなデッキの支柱になっているものがありません。
そのために、コンセプト通りにデッキをしっかりと相手に対応させてプレイングできるかが鍵となっています。 これまでの大会の流れで「ゲイン」を使う「ビートダウンデッキ」が大流行していましたが、最大規模となる「関東大会」において1、2位に「赤単色コントロールデッキ」が入賞。
この結果は、今回全勝を果たし1、2位に輝いた両プレイヤーが「北海道」「東北」「中部・北陸」と他の称号争奪戦にも参加し、これまでの大会の結果をしっかりと分析したことに拠るでしょう。
分析の結果たどり着いたメインデッキの構築、プレイング、サイドボードプラン等の結論が、200人以上という参加者の中行われた「関東大会」で正確に反映された結果と言えますね。
4 :「赤単色コントロールデッキ」への対策
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■「赤単色コントロールデッキ」への対策
「赤単色コントロールデッキ」の弱点としては、そのゲームスピードの遅さにあります。
例えば「白単色PS装甲デッキ」のような高速ビートダウンデッキで打点を重視したプレイングに対して対応を一つでも間違うと、プランが瓦解し「赤単色コントロールデッキ」は場のコントロールを確立する前に、本国が残り数枚になってしまい逆転が不可能となってしまいます。
しかしながら、先程の3の項目で述べた通り、「赤単色コントロールデッキ」は「EX1」環境を見定めたプレイヤー達によって新しく生まれた「メタデッキ」です。
この「新しく生まれた」というのが、一つのポイントで「赤単色コントロールデッキ」は「中部・北陸大会」以降に誕生したデッキで、「関東大会」でもデッキ使用率の割合では1割未満です。
その為、「赤単色コントロールデッキ」は対戦相手にとって未知のデッキとなり対応方法が判りづらく、対戦相手としても独自のゲーム展開を行う「赤単色コントロールデッキ」に対して、適切なプレイングが選択できなかったのではないのでしょうか?
逆に、「白単色PS装甲デッキ」や「青黒緑OOデッキ」は既に多くの実績を残しており、どういうデッキなのかという事も多くのプレイヤーが既に知っています。このデッキに対する「情報量の差」が、「関東大会」の結果に大きく関与している可能性があります。
全てに言える事ですが、デッキの展開と内容を把握すること。それが一番の対策かもしれません。
■今後の「赤単色コントロールデッキ」
華々しい優勝を果たした「赤単色コントロールデッキ」ですが、このような「メタデッキ」は、2弾で増えたカードプールにより、新デッキの登場や、既存のデッキにも新たにカードが追加されたことから、対応しなくてはいけないカードやデッキタイプが増えたため、しばらくの間は姿を見なくなる事が予想されます。
このような理由から、2弾発売前の環境が変わる「EX1」環境最後の大会というこのタイミングで「メタデッキ」である「赤単色コントロールデッキ」を用意してきたのも、プレイヤーのの戦略の一つと言えるでしょう。
これからの称号争奪戦は「福岡」「大阪」と続いていきますが、新しいデッキタイプだけではなく、その大会でどういうデッキが流行しているかという点にも注目していきたいところです!
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