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第14回 「2007年 GT参加デッキ傾向」 |
2008年3月16日に開催された「GUNDAM WAR BIG WAVE〜10th YEAR!!〜」において、64名の決勝参加者の中、2007年度のGTチャンピオンが決定しました。
今回GTを制覇したデッキは前年度のコントロール型の「黒茶輝きデッキ」とは全く異なる、速攻型の「赤緑ブリッツクリークデッキ」でした。
今回のGW通信では2007年度GTのデータに基づき、2007年度のGT環境の考察を行います。
※GT=年間世界一を決める大会である“グランドトーナメント”の略です。
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● 青系デッキ |
「ガンダムデッキ」
最新弾「流転する世界」に収録された、「ガンダム」(U-347)を中心にした「ガンダムデッキ」が今回のGTに参加した青系デッキの中で最も良い結果を残しました。
このデッキは「ガンダム」をプレイする事で「ガンキャノン(108号機)」(U-346)や「ガンキャノン(109号機)」(U-349)を本国から直接出し、展開力を上げる攻撃型のデッキですが、通常の攻撃型のデッキと異なり、リロール効果、「速攻」、ユニットを守る効果の3本柱で対戦相手にとって非常に対処しずらいユニットとなります。
今回GT2位の栄冠に輝いた「ガンダムデッキ」は弱点の一つともいえる「コマンドによるダメージ」に対して「ディジェ」(U-333)を投入することで対処しています。
また、00(ダブルオー)の強力ユニットに対抗できるように「ガンダム(ハイパーハンマー装備)」(U-189)や「ガンダムF91(ハリソン機)」(U-352)と言った守りの要となるユニットも投入されていました。
特に「ガンダム(ハイパーハンマー装備)」は「換装」の効果で「ガンダム」を手札に戻すことで、再度「ガンダム」をプレイし、「ガンキャノン」を増やしたり、「ガンキャノン(109号機)」のリロール効果と非常に相性が良いカードです。
「青単色デッキ」
GT決勝において、「ブリッツクリーク」系のデッキの次に使用者が多かったのが「青単色デッキ」です。
このデッキタイプにも序盤の防御や打点の底上げに「ガンダムF91(ハリソン機)」が投入されていました。
また、黒を追加し「報道された戦争」(C-7)等による手札破壊や、「因縁の鎖」(C-32)と「ガンダム(ラストシューティング)」(U-321)を組み合わせ一気に打点をアップするタイプもありました。
「青単色デッキ」はゲーム序盤から後半まで安定して、展開するデッキではありますが「ブリッツクリーク」による強力な「00ユニット」の展開に対して、ユニットパワーが追いつかず、使用率に対して結果を出し切れなかったようです。
「Sガンダムデッキ」
CS予選から根強い人気のあるデッキタイプです。
20弾から「EX-Sガンダム」(U-355)を投入することで、これまでの決定力の低さをカバーした形となっているタイプが多く、GT決勝前日に行われたGT予選でも通過者を排出したデッキですが、GT決勝では結果を残すことができませんでした。
これは「赤緑ブリッツデッキ」の速い展開に「Sガンダム」(U-337)への合体が間に合わなかった事や、「ガンダムデュナメス」(U-002)により、「Gコア」(U-329)等の合体パーツが早いターンで破壊されることが多かったことが原因と思われます。
「青中速デッキ」
東京CS決勝で最も多くの結果を残したこのデッキタイプですが、もともと展開が遅いデッキであったために「ブリッツクリーク」の展開力の前に敗北することが多かったようです。
このデッキも他の青系デッキと同様に「ガンダムF91(ハリソン機)」が投入され、序盤の防御力を底上げしていました。
●青系デッキのGT結果
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参加デッキ数 |
結果順位(20位まで) |
ガンダムデッキ |
4 |
2位・20位 |
青単色デッキ |
7 |
9位 |
Sガンダムデッキ |
3 |
なし |
青中速デッキ |
4 |
7位 |
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● 緑系デッキ |
「ブリッツクリークデッキ」
今回のGTでは最も使用者が多く、GT優勝および3位、5位入賞者を出したのがこの「ブリッツクリークデッキ」です。
これまでも存在したデッキタイプですが、20弾の発売により00ユニットが増加し、その中でも「クイック」を持つ「ガンダムキュリオス」(U-003)が追加されることで「ガンダムエクシア」(U-001)と共に手札に引いている場合にも複数展開できるようになり、爆発力がアップしました。
そのなかでも特にドローソースの豊富な赤と組み合わせることにより、指定国力00を安定して支払えるようにしたデッキが多く、特に上位の「赤緑ブリッツデッキ」は「ギレン・ザビ狂信派」(G-16)を投入し、3ターン目から展開することで圧倒的なダメージをたたき出し、そのまま「地球侵攻作戦」(O-19)によるG破壊につなげることで結果を出す事に成功していました。
上位入賞をはたしたデッキが今までの「赤緑ブリッツクリークデッキ」と異なる点としては、2色デッキであるにも関わらず、「ブリッツクリーク」(C-118)や00ユニットをプレイするまではほぼ赤単色のデッキとして機能し、序盤で確実に「サラサ再臨」(C-8)等のドローソースを使える安定したデッキであるところです。
また、赤であるにも関わらず「密約」(C-7)が投入されていないのは、「ギレン・ザビ狂信派」で次のドローフェイズまでしか国力が発生しない事や、4国力で動くデッキのため3国力のドローソースが余り必要ないといった理由からでしょう。
優勝デッキにはその他にも同系統のデッキや青が多いことを見越して「ボッシュ」(CH-173)が採用されており、「メタゲーム」を読みきった勝利といえます。
「シャア専用デッキ」
エクステンションブースター2の発売時に注目された「シャア・アズナブル」(CH-180)を中心にしたデッキです。「シャア・アズナブル」の効果で1ターン目から高いダメージを出す事が可能なこのデッキは、場合によっては「ブリッツクリーク」以上の爆発力がありますが、緑単色のためドローが乏しく安定しないことからか結果を残すことができませんでした。
また、「ガンダムF91(ハリソン機)」のような防御に秀でたカードが多いことも、このデッキにとってマイナスだったと言えるでしょう。
「その他の緑デッキ」
「イアン・グレーデン」(CH-154)を中心としたデッキや「サイクロプス隊デッキ」もCS環境から引き続きありましたが、00ユニットを軸にした「ブリッツクリークデッキ」のパワーとスピードに押される形で、結果を残すにはいたりませんでした。
●緑系デッキのGT結果
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参加デッキ数 |
結果順位(20位まで) |
ブリッツクリークデッキ |
13 |
1位・3位・5位・8位・10位・11位・13位・15位・19位 |
シャア専用デッキ |
2 |
16位・18位 |
イアングレーデンデッキ |
1 |
なし |
サイクロプス隊デッキ |
1 |
17位 |
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● 黒系デッキ |
「緑黒輝きデッキ」
CS環境において人気の高いデッキタイプでありましたが、「ブリッツクリークデッキ」の台頭により、良い結果を残すことができませんでした。
「魂の輝き」(C-4)という「ブリッツクリークデッキ」に効果のあるカードはありますが、緑と黒の色の特性から来るドローの不安定さから相手のユニット展開に合わせて引くことができなかったり、ユニット展開後のG破壊の前にほとんどのカードをプレイする事無くゲームが終了する場合も多かったようです。
また、これまでの「緑黒輝きデッキ」は「魂の輝き」以外のも低国力の除去カードとして「ケンプファー(試作機)」(U-263)が採用されていましたが、防御力の高い00ユニットには効果が薄いため採用されず、結果として除去カードが減少し、デッキに脆さを抱える形になってしまいました。
ゲームスピードの速い今回のGTでは結果を残すことはできませんでしたが、「リグ・シャッコー(カテジナ機)」(U-Z97)のような便利なカードが投入され対応力自体は増しているので今後の「メタゲーム」次第で、トーナメントに返り咲く可能性も高いデッキではあります。
「青黒タイタニア」
もともと展開の遅い環境で強いデッキタイプではありますが、今回のGTでは「ブリッツクリークデッキ」を筆頭とした展開の速い苦手なタイプのデッキが多かったため「メタゲーム」に合わず、結果を残すことができませんでした。
●黒系デッキのGT結果
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参加デッキ数 |
結果順位(20位まで) |
緑黒輝きデッキ |
5 |
なし |
青黒タイタニアデッキ |
2 |
なし |
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● 赤系デッキ |
「赤黒コントロールデッキ」
このデッキタイプはこれまで、全体除去をするカードとして緑を入れることで「魂の輝き」が入っているタイプ以外は「無差別攻撃」(C-64)が中心となっていましたが、「ブリッツクリーク」の流行によって、「女帝退場」(C-42)といった4国力のカードが採用されていました。
その他にも「ガンダムエクシア」や「ガンダムヴァーチェ」(U-004)等の00ユニットを増やすことで、中盤以降の防御手段を増やしているタイプが多くなっていました。
「赤緑コントロールデッキ」
「一日の長」(O-98)等のドローカードで得たアドバンテージで序盤を支え、「グロムリン」(U-209)により勝利する一般的なタイプのデッキですが、このデッキも00ユニットに対応できるように「光る宇宙」(C- 84)が投入されていました。
サイドボードにもそういった「ブリッツクリークデッキ」対策のカードは多く、カウンターがある色であるにも関わらず重点的に対策がとられていて、如何に「ブリッツクリークデッキ」が注目されていたかがわかります。
●赤系デッキのGT結果
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参加デッキ数 |
結果順位(20位まで) |
赤黒(緑)コントロールデッキ |
6 |
12位・14位 |
赤緑コントロールデッキ |
1 |
なし |
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● 茶系デッキ |
「黒茶輝きデッキ」
2006年度に優勝したデッキタイプであり、使用率は低いですが今回のGTでは上位入賞を果たしています。
基本的なデッキ構成に変更はありませんが、「リグ・シャッコー(カテジナ機)」や「タイムリミット」(O-80)といったカードが追加され対応力をアップさせています。
このデッキと「緑黒輝きデッキ」の決定的な差は、茶のドローカードによって必要な時に必要なカードを引くことが可能なデッキの安定性の違いといえるでしょう。
「赤茶パトゥーリア」
CS決勝においては多くの結果を残すことができなかったデッキですが、GTにおいて見事上位に入賞しています。
デッキとしては20弾から「ジャミル・ニート」(CH-X56)を投入し、使いやすいNTの枠が増え、それに伴い「突貫作業」(O-X51)を有効に使うことができるようになっています。
「パトゥーリア」(U-X91)だけでなく、「ガンダムエクシア」等の4国力でプレイできる防御役に適したユニットで構築され、「ブリッツクリーク」の展開にも合わせられたことが勝因の一つでしょう。
「青茶A.W.」
このデッキは「ガンダムF91(ハリソン機)」と「A.W.」(O-X38)のコンボで一方的に攻撃するコンボを内蔵したデッキです。
また、「パトゥーリア」を投入することで、早いデッキにも耐性をつけていましたが、ほとんどのカードが1枚では効果的に機能しないことや、「ガンダムデッキ」に対して破壊する方法が無いなどの問題点を抱えていました。
「A.W.」はターンを稼ぐことが可能なカードでもありますが、このデッキでは「ガンダムF91(ハリソン機)」とのコンボで勝利するために必要なコンボカードでもあり、ダメージを抑えるためにプレイすると、コンボにつなげなくなってしまうなどコンボ自体は強力ではありますが、ジレンマを抱えたデッキでもあったようです。
●茶系デッキのGT結果
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参加デッキ数 |
結果順位(20位まで) |
黒茶輝きデッキ |
1 |
6位 |
赤茶パトゥーリア |
3 |
4位 |
青茶A.W. |
2 |
なし |
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● 白系デッキ |
「白中速デッキ」
CS予選から決勝まで非常に人気のあったデッキでしたが、GT予選及びGT決勝ではそれまでに比べると多くの使用者がいませんでした。
原因としては「ブリッツクリークデッキ」によるゲームの高速化が考えられます。
もともと「フリーダムガンダム(ハイマットモード)」(U-S101)のような5国力の強力ユニットで勝利するデッキであるために4国力で展開を始めて、そのままゲームを決める「ブリッツクリークデッキ」に展開スピードで間に合いません。
また、これまでは「ブリッツクリーク」のプレイにカットインし、「切り開く力」(C-S16)を使うことで対抗することも可能でしたが、「ギレン・ザビ狂信派」により3国力の「切り開く力」が間に合わないことや、赤と組まれていることで「切り開く力」がカウンターされ、逆に対処されるようになってしまった事も原因でしょう。
●白系デッキのGT結果
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参加デッキ数 |
結果順位(20位まで) |
白中速デッキ |
4 |
なし |
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● GTのメタゲームの流れ |
2007年度GTは20弾が発売されて約一ヶ月という非常に短い期間で開催されたにも関わらず、00ユニットを筆頭とした最新カードが多く使われていました。
その中で「ブリッツクリークデッキ」が頭角を現し、CS予選での「緑中速デッキ」と同様のゲームの高速化が起こりました。
結果として今回のGTは「ブリッツクリークデッキ」か「ブリッツクリークデッキ」のスピードにあわせることができるデッキの対決になり、特殊Gによって展開スピードを上げた「赤緑ブリッツクリークデッキ」が優勝しました。
2008年にはGTが2期制となり、5月から公式大会も始まり、公式大会が2度に増えることによってGTへのチャンスも倍になります。
2007年度の大会に参加した方だけでなく、まだ公式大会未経験の方もGT2期制を機に公式大会へ出場してみてはいかがでしょうか? |
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※次回更新にて2008年度の公式大会の詳細をアップ予定です。 |
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