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第33回「2010年 GW7都市地方予選大会(1st season)デッキ傾向」 |
今回のGW通信では、「GW7都市地方予選大会(1st season )デッキ傾向」として、
仙台・札幌・福岡・東京・名古屋の5都市で開催された公式大会の総ざらい。
デッキ傾向だけでなく、
今期大会より新たに導入された「シード権」にも着目したデータも同時公開。 |
● ドラマチックブースター「乱世に生きる漢たち」による環境変化 |
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各大会毎の解説の前に、新たに登場したドラマチックブースター「乱世に生きる漢たち」で強化されたデッキタイプを紹介。
ここで紹介するデッキタイプは、各大会でも多くのプレイヤーが選択し、結果を残したデッキタイプです。
○赤単色コントロールデッキ
GT優勝で記憶にも新しい「赤単色コントロールデッキ」ですが、「乱世に生きる漢たち」より「サザビー(U-204)」と「シャア・アズナブル(CH-123)」のセットを手にいれる事で、更なるパワーアップを果たしました。
特に「シャア・アズナブル」の効果は、同系のコントロールデッキへの耐性を上げ、逆に「赤単色コントロールデッキ」自体が、「サザビー」を意識した構築やプレイングが必要になる程のパワーがありました。
「赤単色コントロールデッキ」は、赤本来の安定した展開が大きなポイントで、勝率よりも安定した勝ち点が重要な「シード権所持者」が好んで選択するデッキタイプです。
○黒系デッキ
「ガンダムラジエル(U-0013)」を中心とした「黒紫ビートダウンデッキ」のような黒系デッキも「乱世に生きる漢たち」の登場以降に増えたデッキタイプです。
元々「コントロールデッキ」に強い手札破壊を持ち、「ガンダムラジエル」や「浅からぬ因縁(O-93)」と言ったドローソースを手に入れた事も追い風となっています。
特に「浅からぬ因縁」は、「マリーダ・クルス(CH-118)」への対策も兼ねるだけでなく、場に置くだけで効果のあるオペレーションという事で、「ACE」のロールコストとしても使える「ビートダウンデッキ」、「コントロールデッキ」と活躍の場を選ばないカードです。
また黒系デッキの中でも、最も使用率の高い「黒紫ビートダウンデッキ」は、デッキ構築におけるGバランスに特徴があります。
紫Gを引けないと始まらないというG事故への対策の為、デッキ内のGが紫基本Gのみで、黒国力の発生源をヴァリアブルとしてマリガンを含めたG配分となっています。
その為、「赤単色コントロールデッキ」の殆どに採用されている「虚偽の報告(O-44)」への耐性があるのも今期環境での大きなポイントです。
○黒と赤の強化
「乱世に生きる漢たち」の登場により、赤は即デッキに投入できる優秀ユニットを手に入れ2009年GT環境から更なるパワーアップを見せました。
しかし、「赤単色コントロールデッキ」の天敵となりえる形で黒デッキが強化を見せ、結果として黒と赤が今回の大会の中心となりました。
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●仙台大会 |
7都市地方予選最初の会場となったのが、「仙台大会」。
大会環境としては、初めてドラマチックブースター「乱世に生きる漢たち」が使用可能となった大会です。
○仙台大会でのデッキ環境
結果から見ても、「乱世に生きる漢たち」によりパワーアップを果たした「赤単色コントロールデッキ」と「黒紫ビートダウンデッキ」の2つが結果を残しています。
その他のデッキとしては、「緑単色ウィニー」が目立った結果を残しました。
○緑単色ウィニーデッキ
「黒系ビートダウンデッキ」と同様に「コントロールデッキ」が増える事で、その存在感を増すのが「ウィニーデッキ」。
デッキスピードでは、トップクラスな為、資源払いやドローが多く本国が減りやすい「黒紫ビートダウンデッキ」とも有利に渡り合う事ができる環境的にも強いデッキです。
デッキの安定性を上げる為に「タメG」を使う事が多いため「虚偽の報告」が最大の敵ですが、発生する国力が無効にならない「解体」ユニットを投入する構築で対策を行っていました。
○ラジエルコントロール
「黒紫ビートダウンデッキ」とは異なり、「ガンダムラジエル」のドローテキストを主に注目したコントロールデッキです。
このデッキは「緑黒コントロール」を基本にしていますが、「ガンダムラジエル」の指定国力の低さに着目し、ドローが豊富な赤をベースにしながらも、「変革の目撃者(G-23)」で国力を切り替える形で、「野望の毒牙(C-24)」等のデュアルコマンドを使うタイプもありました。
○シード権所持者割
今期大会より導入された「シード権」は、全国のカードショップ等で開催された「GTシード権大会」で入手できるポイントを集める事で、「地方予選大会」を優位にできるシステムです。
仙台大会での、シード権参加者は38人と全体の約20%程ですが、上位入賞者の割合としては一気に50%にまで増加。
「GTシード権大会」で勝ち抜いたプレイヤーの実力もありますが、結果としても「シード権」は上位入賞への近道となっています。
●仙台大会入賞デッキ(入賞者人数横()はシード権所持人数)
・仙台大会シード権利者割合/全参加者 38/188(20%)
・入賞者シード権利者割合/入賞者 10/20(50%)
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● 札幌大会 |
○札幌大会でのデッキ環境
札幌大会は、前年度GT以前の大会から活躍していたデッキを含む多種多様なデッキが入賞した大会でした。
札幌大会のシード権所持者の入賞割合は、他の都市大会と比較しても圧倒的に低いものでした。
これには、札幌大会特有のメタを絞りきれない多種多様なデッキ分布が安定した勝利を難しくし、ゲームの勝利が重要なシード権所持者にマイナスとして働いたと思われます。
○緑黒コントロール
前年度GTでも上位入賞を果たしているデッキタイプです。
「ゼグ・ツヴァイ(ジョッシュ機)(U-197)」を中心としたデッキで、「マリーダ・クルス」を奪う等の戦略で「赤単色コントロールデッキ」に対しても有利に戦える、2009年度GTでも注目されていたデッキです。
「ACE」を活用するデッキである為、当然のようにロールコストの支払いに充てつつ、効果そのものも強力な「浅からぬ因縁」が投入されています。
破壊や移動を多用するコントロールデッキの為、すんなりと「サザビー」+「シャア」のセットが成立すると危険ですが、「マリーダ」と同様に「シャア」を「ゼグ・ツヴァイ(ジョッシュ機)」で先に場に出す事も可能ですし、キャラクターがセットできれば、「高機動」と防御力の高さから、サイコミュでは処理しにくいのもポイントです。
○ディアゴデッキ
「ディアゴ・ローウェル(CH-S148)」をエンジンとしたコンボデッキです。
一度条件が成立すると、色を問わずにユニットをどんどん展開する為、白いデッキではありますがユニットは他の色を含め打点や場の制圧力を重視した選択をしています。
早いターンでのコンボ成立に全てがかかっているデッキですので、カウンターを要する赤や、手札破壊が多い今回の環境では、多くの結果を残すタイプではありませんでしたが、コンボ自体の破壊力は折り紙つきです。
●札幌大会入賞デッキ(入賞者人数横()はシード権所持人数)
・札幌大会シード権利者割合/全参加者 26/145(18%)
・入賞者シード権利者割合/入賞者 5/20(25%)
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● 福岡大会 |
○福岡大会でのデッキ環境
「福岡大会は、札幌大会と打って変わって「黒紫ビートダウンデッキ」や「赤単色コントロールデッキ」が再び増加、仙台大会の結果を色濃く反映した結果と言えます。
福岡大会のシード権所持者入賞割合は、札幌大会とは正反対に一気80%にまで増加。
福岡大会はメタデッキの割合が高く、環境を理解している経験値の高いプレイヤーほど、アドバンテージを稼ぐ事のできる環境だったと言えます。
○ユニコーンコントロールデッキ
「ガンダム(U-347)」を使用したデッキと言えば、これまでは2009年度統一王者が選択した「青単色ブーストデッキ」が代表的でした。
しかし、この「ユニコーンコントロールデッキ」では、「ガンダム」を「速攻」や「破壊耐性」の高いユニットとして扱い、更にその上から「ユニコーンガンダム(U-395)」と「ユニコーンガンダム(デストロイモード)(U-413)」の「換装」で、相手の戦略の蓋となるカードを引いて反撃の芽をつぶしていくコントロールタイプのデッキです。
プレイヤーによっては、デッキに含む枚数が増えてしまう「ガンダム」セットではなく、生存力の高いユニットとして「ガンダム試作3号機(U-270)」のセットや「G-3ガンダム(U-364)」を 使うパターンや、赤を足す事で、強力な除去カード「彼方からの来訪者(C-3)」を詰むパターン等、様々ですが「ユニコーンガンダム」を主軸にしている点は同一です。
○00女神破滅デッキ
以前から存在するタイプのコンボデッキです。
このデッキの特徴は「ハンガー」の利用したドロー操作によるカードの引き増しからのコンボ達成率の高さです。
「ハンガー」を使用する事が「手札破壊」への対策になり、更に「ハンガー」を多用したドローは「ACE」とも相性が良く対戦相手のカウンターを掻い潜れるだけの枚数を引く事ができます。
この2点がメタデッキである「黒紫ビートダウンデッキ」や「赤単色コントロールデッキ」に耐性がある事からの再び上位への入賞を可能にしました。
また、「最期の照準(O-0012)」を投入するパターンもあり、ジャンクヤードを豊富に用意できる茶では専用機のセットが成立した「サザビー」ですら破壊可能な威力を持ちます。
●福岡大会入賞デッキ(入賞者人数横()はシード権所持人数)
・福岡大会シード権利者割合/全参加者 50/174(29%)
・入賞者シード権利者割合/入賞者 16/20(80%)
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● 東京大会 |
○東京大会でのデッキ環境
7都市地方予選最大の激戦区東京大会は、2日間で1000人を超えるプレイヤーが参加。
最終的なデッキ分布では「黒紫ビートダウンデッキ」や「赤単色コントロールデッキ」を中心に推移していますが、メタデッキ以外では福岡大会から増えた「ユニコーンガンダム」を使用したコントロールデッキや「黒赤占領報復デッキ」や「青茶脱走ユニコーン」と言ったコンボデッキがひそかに増加しています。
○黒赤コントロールデッキ/黒赤占領報復デッキ
「黒赤コントロールデッキ」と「黒赤占領報復デッキ」の最大の強みは対「赤単色中速デッキ」への強さです。
強さの要因となるカードは「野望の毒牙(C-24)」(「占領政策(O-23)」)と「虚偽の報告(O-43)」の2枚による国力の無効化。
「赤単色コントロールデッキ」は基本的に「タメG」構築となっていますが、同系デッキでも多い「虚偽の報告」が出た場合の対策は「タメG」1枚にコインを集中して載せた上で、「従属者(G-67)」で基本Gに変換します。
その為、十分にコインが乗ったGを「野望の毒牙」等で取り除かれた場合には、そのまま負けに直結してしまいます。
唯一の欠点として、2色デッキな為G事故が起きる可能性を除けば、環境に非常に多い「赤単色コントロールデッキ」を含む「タメG」を多様するデッキには非常に分の良いデッキです。
入賞した「赤単色G破壊デッキ」も同様の戦略に則ったデッキです。
○青茶脱走ユニコーン
東京大会で登場した新たなコンボデッキ。
最終的な勝ち筋は「A.W.(O-X38)」と「ガンダムF91(ハリソン機)(U-352)」のコンボですが、コンボに至るまでの動きに「ユニコーンガンダム」の特性を最大限に生かしています。
「ユニコーンガンダム」をコンボパーツを引く為に、「換装」以外にも「脱走(O-82)」を用いて手札に戻し必要パーツをドローしますが、「フロスト兄弟(CH-X62)」もセットされていれば、「物量作戦(O-7)」の効果と合わせて何度もプレイし、相手の手札をズタズタにしてから安全にコンボに移行する動きが特徴的なデッキです。
●東京大会入賞デッキ(入賞者人数横()はシード権所持人数)
・東京大会シード権利者割合/全参加者 244/1052(23%)
・入賞者シード権利者割合/入賞者 41/80(51%)
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● 名古屋大会 |
○名古屋大会でのデッキ環境
この名古屋大会で「乱世に生きる漢たち」の発売からスタートしたゲーム環境も一区切り。
デッキ分布は、これまでと同様ながらも、そのデッキ内容は、これまでの流れを意識した作りとなっていたのが印象的です。
ここでは、「仙台大会」から「名古屋大会」までの、主要デッキを取り巻く環境と、そのデッキへの対策についてまとめます。
○黒紫ビートダウンデッキ
「ガンダムラジエル」の登場から注目されていた「黒紫ビートダウンデッキ」も、「ビートダウン」「手札破壊」「ドロー」に着目した構築からスタートしました。
その為、一見すると「乱世に生きる漢たち」の登場に影響は受けないように思われていました。
しかし、「最期の照準」の投入は「手札破壊」やドローソースの一つである「ミレイナ・ヴァスティ(CH-0020)」との組み合わせも強く、「セファーラジエル(第一形態)(U-0015)」「GNアーチャー(SP-77)」との相性も良く、結果として場の制圧力も高いデッキとなりました。
これは、少ない枚数のユニットで場を制圧しようとする「赤単色コントロールデッキ」に対しても効果的な1枚です。
しかし、同系デッキの増加はキャラクター面での先出しへの脆さもある為、サイドボードには同系対策とも言えるキャラクター破壊カードが増えていました。
・黒紫ビートダウンデッキ対策
「打点スピード」、「ドロー」、「手札破壊」、「配備エリアを含むユニットへのダメージ」と回り出した「黒紫ビートダウンデッキ」は非常に厄介です。
ユニットが持つテキストもそれぞれが役割分担しており、本国に戦闘ダメージを与えつつ本国以外の差も広がってしまいます。
そんな中で、色を問わずに使われたのは「時代遅れ(O-6)」です。
直接的にユニットを破壊する効果ではありませんが、「ガンダムラジエル」のドロー等のユニットテキスト無効化で、ユニットテキストに依存するこのデッキの機能を下げる事ができます。
○赤単色コントロールデッキ
仙台大会から予選突破デッキの中でも使用率トップのデッキタイプです。
赤と言う色が持つ安定性は、デッキ的な多少の不利をも覆す事が出来る所が、シード権所持者に特に人気があり、結果として使用率と突破率の高さに繋がっています。
・赤単色コントロールデッキ対策
カウンターを持つデッキですので、中途半端な対策はあまり効果的ではありません。
また、「虚偽の報告」と言ったデッキ構築の時点で注意する必要があるのも厄介です。
対策としては、下記のようなものが選択されていました。
1.「黒系ビートダウンデッキ」が用いる「手札破壊」や「打点のスピード」
2.「黒赤占領報復デッキ」等の「タメG」狙い
3.サイコミュに耐える事ができる防御力の底上げをしたユニットによる戦闘(「ゼグ・ツヴァイ(ジョッシュ機)」等)
○緑単色ウィニーデッキ
大会後半になるにつれ、「緑単色ウィニーデッキ」もその様相を少しずつではありますが、変化してきました。
1.打点スピードアップ
「シャア専用ズゴック&アッガイ(U-337)」だけで無く、1ターン目のユニットとして「グフ(ラル機)(U-342)」も投入。
地形適正が被るユニットではありますが、「虚偽の報告」による序盤からの国力無効対策も含め1ターン目からの打点を重視して選択されています。
それに合わせて1国力のキャラクターや「ヒート・ホーク(O-127)」が選択されました。
2.「理想に仇なす者(O-100)」の追加
赤にとって「ACE」の存在は非常に大きな物です。戦闘以外で「ACE」を破壊する事は難しいですが、「理想に仇なす者」は別方向からの対策になります。
3.「乱世に生きる漢たち(C-11)」の追加
このカードは「仙台大会」から既に使用されていたカードです。
このカードによって、赤に対しても「キュベレイ&ハマーン(A-4)」やサイコミュを避ける事が可能ですし、「エリク・ブランケ(CH-194)」のダメージを通すためにも使える、最期の止めになるカードです。
●名古屋大会入賞デッキ(入賞者人数横()はシード権所持人数)
・名古屋大会シード権利者割合/全参加者 93/413(23%)
・入賞者シード権利者割合/入賞者 20/40(50%)
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「シード権」という新たなシステムと「乱世を生きる漢たち」の2つの大きなポイントからスタートした「GT7都市地方予選大会」も「名古屋大会」もって一区切り。
今回最大の特徴であった「シード権」も大会により差はありますが、殆どの大会で入賞者の半分が「シード権利所持者」となっており、まさに「GTへの近道」になっている結果となりました。
さらに、シード選手が選択するデッキは現環境で強いと思われるデッキを的確に選択しているのもポイントです。
「名古屋大会」までは、「赤単色コントロールデッキ」「黒紫ビートダウンデッキ」の2つがメタの中心でしたが、次の「大阪大会」からは新たに「双極の閃光 プレリュードスターター」が使用可能範囲に含まれる事で、また新しい環境となります。
既に公開されている数枚のカードはどれもこれも強力で、新たなデッキや既存デッキにも投入できるカードで、これらのカードの登場で環境がどうなるのか?。
また、次なる「セカンドシーズン」に向けて「GTシード権大会」も開催中です。
GTチャンピオンを目指す最初の近道ですので、今回入賞した方もそうでない方も、来期の7都市大会に向けて、ぜひ挑戦してみてください。
新たなゲーム環境を迎える「GT7都市地方予選大会」、その台風の目となるGW25弾「双極の閃光」お楽しみに!! |
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