○中速デッキ
今年度のCS〜GTを象徴する「中速デッキ」として上げられる「ガンダムデッキ」「緑単色中速デッキ」は、メタゲームや新弾の発売による環境の変化にも対応する事で結果を残し続けました。
これには、各デッキの基本となるポテンシャルが高い事もありますが、同じデッキタイプでもデッキの構成内容を変化させる事で、メタゲームに応じて「攻撃的なデッキ」「コントロール要素の高いデッキ」「相手を動きを拘束するデッキ」等のデッキの動きを変化させ、当時のメタゲームに対応させた、プレイヤーのデッキ構築能力の高さが伺えます。
また、その他のデッキとしては「青赤OO」等の混色の中速デッキも目立ち、その大半が「陸戦型ジム(第07MS小隊機(U-319)」や「Oガンダム(SP-63)」を中心とした、爆発的なカードアドバンテージを得るタイプでした。
○重速デッキ
「白単色デッキ」「茶単色MFデッキ」等がカテゴライズされる「重速デッキ」は、22弾の新カードや新特殊G(通称貯めG)の恩恵を最大限に受け、GT予選からこれまでより多くのプレイヤーがデッキ選択し、特に「白単色デッキ」は近年まれに見る結果を残したといえます。
これまでは、「中速デッキ」に対するスピードの面での遅れや、「コントロールデッキ」にもろい所がありましたが、今大会での「コントロールデッキ」の減少等の環境の変化が追い風となりました。
「ガンダムデッキ(単色)(鋼鉄型)(地球侵攻型)」
今期のメタゲームの中心となり続けた「ガンダムデッキ」は、21弾環境では「単色型」という一つの完成形を見せましたが、「チームデッキ」である以上、元となるデッキ構成枚数が確定しているため「単色型」では、中心となる「ガンダム(U-347)」等に対応されると、厳しい面もあるためGTでの使用を控えたプレイヤーも多いようです。
そして、今回のGTで一気にブレイクしたのが22弾の新カード「鋼鉄の七人(C-C27)」をキーカードにした「鋼鉄型」です。
このタイプは赤青にする事で、ドローソースにより「ガンダム」へのアクセスをあげ、さらにそこから「鋼鉄の七人」をプレイし、一気に優位に立つ「コンボデッキ」のような動きをみせるデッキです。
選ばれたキャラクターは「影のカリスト(CH-C52)」のように相手の行動を束縛するカードや「刹那・F・セイエイ(CH-OO15)」と言った本国回復要素など、サイズだけで無い強力な効果をもったカードが選択されています。
万が一「ガンダム」が引けない場合でも、「ガンダムヴァーチェ(U−OO4)」にそれらのキャラがセットされるだけでも、十分に強力なところもポイントと言えるでしょう。
「地球侵攻作戦(O-19)」によるG破壊を見た「地球侵攻型」もありますが、「鋼鉄型」はそれらと明確に異なる点としてドローサポートに優れた赤を混ぜた上で、キャラクターセットによる「場で勝つ事」を目標とした点が、これまでの混色型「ガンダムデッキ」に無いところと言えるでしょう。
「青単色重速デッキ」
「青単色重速デッキ」は、「リボーコロニー(U-88)」等のユニットで序盤を守り、「νガンダム(U-288)」までに繋ぐデッキです。
22弾の特殊G「ホワイトベース隊(G-84)」により、G事故が減少する事で安定して合計国力の高いカードをプレイできるようになったのが大きな点と言えるでしょう。
戦闘力の増強を重視し、「G-3ガンダム(U-364)」と「量産型νガンダム(U-378)」を搭載したものもあり、上位入賞こそかないませんでしたが、興味深いデッキと言えるでしょう。
「緑単色中速デッキ」
GT優勝、そして記念すべき最初の統一王座についたのがこのデッキタイプです。
基本的な構成パーツは、これまで同様ではありますが細かいカード選択で、色々なパターンをプレイヤー毎に構築されていました。
また、22弾から「アグリッサ(U-OO23)」「オーバーフラッグ(U-OO20)」を投入したデッキが多く、全体的に交戦を重視したものとなっています。
その中で優勝したデッキはメインから「滅多打ち(C-109)」を搭載し、相手の展開を遅らせたり、コンボを止めるカードとして縦横無尽に活躍していました。
デッキ自体が交戦を主体に構築されているので、「滅多打ち」が手札に戻る事も多く、相手に「名称:ガンダム」を持つユニットがいるならば、「グラハム・エーカー(CH-005)」の効果で無理やり交戦する事も可能です。
サイドボードにも「ゲリラの村(U-6)」等のコンボデッキ対策となるカードも多く、環境を読みきった選択がされています。
「黒単色TRデッキ」
「パプテマス・シロッコ(CH-49)」を中心とした、一風変わったデッキです。
序盤は「マケドニア・コロニー(U-Z69)」等の低国力ユニットや「情報の把握(C-OO2)」でドローを増やし、「パプテマス・シロッコ」の効果で一気にジャンクヤードからユニットを展開し勝利します。
ジャンクヤードを経由するため、相性のよい「フルドド(U-164)」と「ガンダムTR-1[ヘイズル・ラー](U-162)」や「ガンダムTR-1[ヘイズル・ラー](第2形態ブースター装備)(U-173)」が投入されていました。
「茶単色MFデッキ」
22弾で「ゴッドガンダム(U-G62)」や「明鏡止水(C-G19)」等のカードが投入され、大きくパワーアップしたデッキタイプです。
これまでの弱点だった、ユニット+キャラクターのセットグループを守る方法が上記のカードで補強され、キャラセットの完成が勝利に結びつき易くなりました。
しかしながら、今大会で増えた「コンボデッキ」への耐性が無い点と「緑単色中速デッキ」の「アグリッサ」等苦手とするカードを使ったデッキが多くあり、予選の使用者に対して決勝はそこまでの使用者と結果を出すには至りませんでした。
「白単色デッキ」
「白単色デッキ」は、今回のGTで近年稀に見る良い結果を残す事に成功しています。
デッキの構成は「ウイングガンダムゼロ(U-120)」が投入された以外では大きな変化はありませんが、「ブロックワード(O-S38)」や「切り開く力(C-S16)」の存在は「コンボデッキ」だけでは無く、同じ中速系のデッキに対しても効果があり、「コントロールデッキ」の減少と「コンボデッキ」「中速デッキ」の増加を受けて浮上した形と言えるでしょう。
「OOデッキ(青黒・青赤・青茶)」
これらのデッキは、そのほとんどが「陸戦型ジム(第07MS小隊機(U-319)」と「Oガンダム(SP-63)」を中心としたデッキです。
この2枚のカードが生むアドバンテージにより、ユニットの展開、敵軍ユニットの除去を行います。
「月面民間企業(G-1)」や「裁きを下すもの(C-OO14)」により、敵軍から奪ったカードをプレイし、さらにアドバンテージを広げます。
組み合わせの色によって、カードの選択がなされ「青赤型」は赤の「彼方からの来訪者(C-3)」、「青茶型」は「宝物投棄(C-6)」と「風雲再起(CH-G35)」、「青黒型」は「報道された戦争(C-7)」や「ガンダムサダルスード(U-OO4)」となっています。
対処しにくいダメージ源として「ガンダム(ラストシューティング)(U-321)」も搭載されているため、「ドロー」「除去」「ユニット」が揃った隙の無いデッキと言えますが、相手のデッキによっては「Oガンダム」で奪ったカードがプレイしづらい事もあり、そういう点では指定の高いカードの多い「白単色デッキ」等には効果が半減してしまう可能性もあります。
「黒赤アストレアデッキ」
これまでの「OOデッキ」とは異なり「ガンダムサダルスード」等のOOPユニットを中心組まれた、速攻よりのデッキです。
このデッキには「報道された戦争」等の手札破壊、「アフリカ独立解放戦線(O-49)」等の国力変更カードと言った、2種の対戦相手のプレイを束縛するカードが投入されており、それらのカードで対戦相手の場をロックし、勝利します。
特に「アフリカ独立解放戦線」は、「貯めG」の使用が目立った今大会においては効果の高さがうかがい知れます。
「緑赤コントロール」
東京CS大会で優勝したデッキタイプです。
前回同様、制限された「ブリッツクリーク(C-118)」の穴を「休日の出来事(C-24)」で埋める形になっており、全体的な「コントロールデッキ」の減少による「魂の輝き(C-4)」等の全体除去の減少は変わらず、このデッキの追い風となっていましたが、「ガンダムデッキ(鋼鉄型)」等のより、先鋭化したデッキ等もある現環境では、「ブリッツクリーク」の穴を埋めきる事は難しいと言えるでしょう。
●中速デッキのGT結果
|
参加デッキ数 |
結果順位(上位20位まで) |
ガンダムデッキ(青単) |
3 |
8位 |
ガンダムデッキ(鋼鉄型) |
4 |
5位・12位・19位・20位 |
ガンダムデッキ(地球侵攻型) |
1 |
|
青単色重速デッキ |
2 |
|
緑単色中速デッキ |
8 |
1位・4位・14位 |
黒単色TRデッキ |
1 |
|
茶単色MFデッキ |
1 |
13位 |
白単色デッキ |
9 |
6位・17位・18位 |
青黒OOデッキ |
2 |
|
青赤OOデッキ |
8 |
2位・7位・15位 |
青茶OOデッキ |
1 |
9位 |
赤黒アストレアデッキ |
2 |
|
緑赤ブリッツデッキ |
1 |
|
|