第25回 2009年 GWグランドトーナメント(第1期)デッキ傾向
2009年度GW第1期を締めくくる、「GWグランドトーナメント」
今回はガンダム30周年を記念する一大イベント「GUNDAM BIG EXPO」内で、開催されました。
23弾「栄光の戦史」も使用可能な初めての公式大会という事もあり、激変したゲーム環境の中で、グランドトーナメント決勝に出場したデッキの中でも注目度の高いデッキについて解説いたします。
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● 中速系ビートダウンデッキ |
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○青系ブーストデッキ(ガンダムデッキ)
今回のグランドトーナメント優勝の栄冠に輝いたのが、このデッキタイプです。 このデッキは、依然としてトーナメント環境に多い「青赤OOデッキ」や「コントロールデッキ」、サイドボードを含めた構築においては「コンボデッキ」にも優位な戦いができるように構築されたデッキとなっています。
では、このデッキのポイントを見てみましょう
・対青赤OOデッキ
「青赤OOデッキ」の重要なポイントは如何にして、「陸戦型ジム(第07MS小隊機)(U-319)」「Oガンダム(SP-63)」による序盤の攻防でドローとダメージで優位に立つかにかかっています、「ガンダムエクシア(U-OO1)」等の強力な「OOユニット」を多く使っているとは言え、このポイントが達成されなければデッキとしてのポテンシャルを発揮する事はできません。
この点において、「V作戦(C-8)」等の国力ブーストからの「ガンダム(U-347)」、「謙信ガンダム(U-386)」のどちらかが早いターンに出れば、序盤の攻防を制圧し、そのまま押し切る事もできるでしょう。
・対コントロールデッキ
対コントロールデッキは、他のデッキタイプと比べそこまで優位にはならないものの、対青赤OOデッキと同様にデッキスピード(「貴族主義抵抗派(G-4)」等のG破壊や「凌駕(O-1)」による攻撃の継続)がものを言います。
また、青には「ZプラスC1型(U-342)」等のコントロールデッキが多用するコマンドに対抗する要素もあります。
対コンボデッキ
コンボデッキに対しては、リセット対策を含めたビートダウンカード「ガンダム(ラストシューティング)(U-321)」やサイドボードからの「ゲリラの村(U-6)」等での対策。
また、23弾発売直後に話題になった「ユニコーンガンダム(U-395)」を使った「青茶A.W.デッキ」に対しては「ガンダムF91(ハリソン機)(U-352)」で対処ができます。
「ガンダムF91(ハリソン機)」は対「青茶A.W.デッキ」以外にも攻撃力の底上げや序盤の攻防において「謙信ガンダム」等のユニットが出遅れたり、処理された場合のブロッカーにもなります。
このデッキタイプは1位の「青単ブーストデッキ」以外でも「ガンダム7号機(U-392)」を投入し、手札破壊と打点アップを狙ったタイプ、「ガンダム」ではなく「謙信ガンダム」と「信玄ガンダム(U-385)」の「軍勢コイン」と「将星輝く(C-145)」を使った一撃必殺タイプや、黒を追加し、ユニットの展開後に「報道された戦争(C-7)」や「報復行動(C-87)」につなげる等、様々なタイプもありました。
特に後者のタイプはキーカードを確実に引くために「ユニコーンガンダム」が投入されていたのが印象的でした。
○青赤OOデッキ
2009年度のチャンピオンシップで最も多くのプレイヤーを上位に送りだしたデッキタイプでしたが、これまでと比較すると、良い成績を残す事ができていません。
これは、相性の悪いデッキタイプである「青系ブーストデッキ」や、天敵カードの1枚でもある「ガンダムF91(ハリソン機)」を軸にしたコンボデッキ「青茶A.W.デッキ」が「ユニコーンガンダム」の登場により、再び注目された事にも起因しています。
その他にも「カプル(コレン専用)(U-118)」「時代遅れ(O-6)」の登場も、序盤の動きが重要なこのデッキにとっての壁となっています。
依然として強力なデッキである事は変わらないのですが、結果として今回のグランドトーナメントという環境の中では以前よりも勝ちにくいデッキとなっていたようです。
○白単色重速デッキ このデッキも23弾の影響を大きく受けたデッキタイプで、グランドトーナメント予選から、かなりの数のプレイヤーが選択したデッキタイプです。
23弾が「白単色重速デッキ」に与えたカードはユニット・キャラクター・コマンド・Gと全てに渡り、明らかにパワーアップしています。
・ユニット
「フリーダムガンダム&ジャスティスガンダム(U-S217)」の本国回復能力は、「フリーダムガンダム(ハイマットモード)(U-S101)」の弱点である「本国にダメージを与えなければ回復できない」という点を簡単にクリアし、戦闘力も十分に魅力的なユニットです。
「ガンダムデスサイズヘル(U-127)」の戦闘エリアへの飛び出しは、ユニット除去だけでなく「青茶A.W.デッキ」への対策にもなっています。
・キャラクター
「名無し(CH-83)」キャラクター除去の能力をもった、このカードは「コンボデッキ」以外のデッキがほぼキャラクターを投入している現状では無駄になる事はなく、「慈愛の眼差し(C-9)」と組み合わせる事で何度も使う事も可能です。
状況によっては、戦闘力の大きいユニットを使うために、自分のキャラクターを対象にしたりと様々な使い道に派生できる優秀なカードです。
・コマンド/G
23弾の注目レアの1枚である「救国の英雄(C-S118)」はオペレーションへの基本耐性を劇的に上げ、「有力貴族(G-33)」は、「タメG」「ヴァリアブル」に頼りがちな白にとって対「野望の毒牙(C-24)」「貴族主義抵抗派」として機能し、デッキ全体の耐性を上げる事に成功しています。
○緑単色中速デッキ
前年度のグランドトーナメントを優勝した、デッキタイプであるこのデッキは「故国燃ゆ(C-OO13)」を使用し、徹底したG破壊を優先するタイプとして変化し結果を残しています。
○黒単色TRデッキ
「TR-6」系と「シールド・キャノン(O-81)」の打点力に「ゼグ・ツヴァイ(ジョッシュ機)(U-197)」を追加、相性の良い「インコム(O-5)」に追加して、キャラクターを「解体」を持つユニットにセット後に解体するキャラクター廃棄のエンジンも投入し、「ゼグ・ツヴァイ(ジョッシュ機)」を活かすデッキ構成となっていました。
●ビートダウンデッキののGT結果
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参加デッキ数 |
結果順位(上位10位まで) |
ガンダムデッキ(青単ブースト) |
5 |
1位 |
ガンダムデッキ(青黒ブースト) |
5 |
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ガンダムデッキ(青単ブースト無し) |
4 |
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青黒OOデッキ |
8 |
7位 |
白単色デッキ |
13 |
8位・9位 |
緑単色中速デッキ |
2 |
4位 |
黒単色TRデッキ |
1 |
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緑赤ブリッツデッキ |
1 |
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緑赤ブリッツデッキ |
1 |
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赤単色中速デッキ |
1 |
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赤単色クロスボーンデッキ |
1 |
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赤単色サイコミュデッキ |
1 |
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● コントロールデッキ |
○黒赤コントロールデッキ
「黒赤コントロールデッキ」は結果としては今回最も躍進したデッキタイプと言えます。
優勝こそはしなかったものの上位人数としては最多となり、これまで相性の悪いと言われていた「青赤OOデッキ」が不振だった事もあり、安定した結果を残しています。
「黒赤コントロール」の勝因
・「青赤OOデッキ」の減少
上でも述べた通り、メタゲームの変遷と新弾投入による環境の変化によって「青赤OOデッキ」の総数自体が減っていました。
しかしながら、それ以外の要点として「陸戦型ジム(第07MS小隊機)」「Oガンダム」が出れば不利になるが、逆にそれらを序盤に引かれていない、もしくはすぐに対処できれば、本来のデッキパワー自体は「コントロールデッキ」の方が上ということもあります。
序盤にそれらのユニットをプレイされて不利になる可能性と、そうでない可能性を天秤に掛けた結果、数が減りつつある「青赤OOデッキ」にこだわるよりも、その他のデッキに安定して戦えるデッキとして「コントロールデッキ」が選択され、結果を残したと思われます。
・「コンボデッキ」「ブーストデッキ」の増加
「ユニコーンガンダム」の登場は、これまで以上に「コンボデッキ」が増える可能性を上げました。 「黒赤コントロールデッキ」はそういったデッキに対し、「カウンター」という最大の防御を持ちます。
また、「ブーストデッキ」についても、「サイドボード」のカードを多用する事で、スピードを抑え「コントロールデッキ」のペースに持っていく事が可能です。
また、これまであまり見る事がなかった「カリスマ(C-61)」が多くのデッキで使用されていますが、これはジャンクヤードから再利用できる「ウイングガンダムゼロ(U-120)」等の対策となっています、今回「白単色重速デッキ」はかなりの数がいた事もあり、環境にマッチした選択となっていました。
○「黒単色コントロールデッキ」
「OOユニット」の登場による「黒赤コントロールデッキ」の隆盛により、長らく見る事が無かったデッキタイプですが、早だし可能な重量級ユニット「ゼグ・ツヴァイ(ジョッシュ機)」やドローを兼ねた全体除去「交渉のテーブル(O-85)」といった優良カードを手に入れ再び使用されていました。
●コントロールデッキののGT結果
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参加デッキ数 |
結果順位(上位10位まで) |
黒赤コントロール |
5 |
2位・5位・10位 |
4色コントロール(コングロマリッド) |
2 |
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緑赤コントロール |
2 |
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黒単色コントロールデッキ |
1 |
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● コンボデッキ |
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○赤茶正義破滅 今期のチャンピオンシップを通して、残り続けたコンボデッキです。
デッキの構築も多少の差異はあれども、ほぼ完成された形となっており、このデッキの基本性能の高さを表しています。
「レイ・ザ・バレル(CH-S104)」のようなコンボの致命傷となるカードに対しては「尊きお言葉(C-12)」で対応する形となっています。
○青茶A.W.デッキ
1枚制限となった「A.W.(O-X38)」でしたが、「ユニコーンガンダム」によりカードへのアクセスができるようになったため、再び見直されたデッキです。
このコンボの最大のポイントは1度成立したら、「A.W.」自身の効果で限られたカードでしか止める事ができないところです。
また、コンボ成立までの時間稼ぎとして「カプル(コレン専用)」や、ドローソースとして「ハンガー」と相性の良い「シンタ&クム(CH-236)」が投入されています。
しかしながら、「A.W.」が引けるようになったとは言え、カウンターされてはそれまでですし、コンボを抜け出せる「ガンダムF91(ハリソン機)」等のカードの使用頻度が高かったため、結果を残していません。
こういった結果になったのも、「ユニコーンガンダム」の登場と同時にこのデッキ自体が対策含めて、当初から注目されすぎていたためでしょう。
●コンボデッキののGT結果
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参加デッキ数 |
結果順位(上位10位まで) |
赤茶正義破滅 |
2 |
6位 |
青茶A.W.デッキ |
3 |
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青緑辣腕デッキ |
1 |
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● ウィニーデッキ |
○緑単色ウィニーデッキ
このデッキも白と同様に23弾の恩恵を強く受けたデッキです。
基本的なベースは「モニク・キャデラック(CH-189)」を使用した1枚制限型ウィニーですが、「シャア専用ザクII&ザクII(ガルマ・ザビ機)(U-333)」の打点の上がり幅と、「速攻」による継続的な戦闘を行えるため、以前よりも対策を重点的に行わなければ、自分のカードが展開し始めてるにも関わらず押し切られる事もあります。
また、「エリク・ブランケ(CH-189)」によりダメージを直接本国与える効果も、デッキの打点自体が高いため驚異的な効果です。
「重要機密の察知(C-135)」により、相手のドローソースを打ち消し展開を阻害する事も可能になり、対応力も増した「ウィニーデッキ」には半端な対策では厳しい戦いを強いられる事になるでしょう。
●ウィニーデッキののGT結果
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「グランドトーナメント」の結果と新環境が与えたもの
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2009年度グランドトーナメント〔第一期〕は、「青単色ブーストデッキ」の勝利で幕を閉じました。
今回の「グランドトーナメント」は、最新弾「栄光の戦史」が使用可能となり、様々なデッキに使用され、ゲーム環境に影響を与えました。
今回の結果が今後のトーナメント環境にどういった影響を与えるのかは、プレイヤーであるあなた次第!!
そして、来月10月からは2009年度チャンピオンシップ〔第二期〕が開始されます。
次の大会の主役はあなたかも知れません。
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