第23回 「2009年 GWチャンピオンシップ(第1期)デッキ傾向」
札幌大会からスタートした2009年度GWチャンピオンシップ(第1期)も、札幌・仙台・広島・名古屋の4大会が終了し、今期CSでの主要なデッキと、それを取り巻く様々なデッキが出揃ってきました。
今回の「GW通信」では、この4大会での上位プレイヤーの使用デッキを今大会でメタゲームの中心となった主要デッキと、それ以外に分けて解説いたします。 |
● 主要デッキ |
これまでの4地区でのCS大会で、多くの使用者を出しているのが、「青赤OOデッキ」「緑単色中速デッキ」「白単色重速デッキ」の3つです。
「緑単色中速デッキ」「白単色重速デッキ」の2つは前年度GT以降も多くプレイヤーに好まれていましたが、その中でも「青赤OOデッキ」は群を抜いて使用率が高く、結果を残した強力デッキでした。
「青赤OOデッキ」
今期の大会で最も警戒されていたデッキがこのデッキです。
「陸戦型ジム(第07MS小隊機)(U-319)」「Oガンダム(SP-63)」、そして「密約(C-7)」「急ごしらえ(C-33)」といったドローカードを多く使い「ガンダムヴァーチェ(U-OO4)」等の強力なOOユニットと「彼方からの来訪者(C-3)」等のユニット除去カードで対戦相手よりも早く場のコントロールを確立します。
多くのドローソースで、安定したゲーム展開と、手札やハンガーにある豊富なカードで、勝利を確実なものとします。
同系デッキを含めた混色デッキの多かった今大会では「Oガンダム」がかなりの猛威を振るい、対戦相手のデッキから、ドローソース、OOユニット等を取ることで、序盤からダメージを与えつつ、中盤以降のカードを補充する事でアドバンテージの差を広げる事が可能です。
今期最強の名をほしいままにする「青赤OOデッキ」ですが、名古屋大会までの対策には以下のようなものがありました。
1.「コンボデッキ」
「コンボデッキ」のほとんどはコンボを決めるその1ターンで勝ちが決するので、それまでの受けていた本国のダメージも関係がなく、パーツさえ集まれば勝てるため、ユニット除去が多く、ボードコントロールを主眼に置く「青赤OOデッキ」とは相性の良いデッキです。
ただし、オペレーションを中心とした構成だと「周辺警護(C-116)」によりコンボが瓦解したり、「内憂外患(O-84)」もあるので、絶対に勝てるほどのデッキ相性ではありません。
2.「打点を通す」
「青赤OOデッキ」はドローカードが多い事もあり、実際には勝っている状況でも本国が半分以下という事が少なくありません。
こういう状況では一発の打点が勝負をつかむことも多く、高い打点の高機動や強襲は場の状況では負けていたとしても一発逆転をする事が可能です。
特に、この「打点を通す事」に着目した構成は、「名古屋大会」で、良い成績を残したデッキに見られた傾向です。
3.「月面対策」
このデッキの柔軟性をあげているカードに「月面民間企業(G-1)」があります。
この何色でも発生するGカードにより、強力なデュアルカードをプレイし易くするだけでなく、「Oガンダム」で得た敵軍カードのプレイにも活用する事が可能になります。
逆に言うとこのカードをうまく対処すれば、「青赤OOデッキ」のスピードや「OOユニット」のプレイスピードが落ちることになり、このスピードさえ落ちてしまえば、「ドローソース」以外のカードパワーの高いカードが多いほうではない「青赤OOデッキ」にも対処が可能となります。
これらの対策カードとしては特殊G破壊系のカードや「政治的圧力(O-11)」のような国力を無効にするカードが採用されていました。
4.「デッキのOガンダム耐性」
「Oガンダム」対策に、緑や白のような「単色デッキ」や「コンボデッキ」のような取られても使いづらいカードや使わないカードでデッキそのものに「Oガンダム」耐性を持たせる方法です。
1の「コンボデッキ」もこのタイプと言えます。
特に名古屋大会では、「コンボデッキ」以外にもデッキ構成やデッキスピードを上げる事で「Oガンダム」耐性を持たせつつ、特殊な勝ち筋(軍勢コインによる「強襲」デッキや「ディープストライカー」デッキ等)を持つデッキが多く、結果として名古屋大会では、「青赤OOデッキ」の使用者数に対する突破者は、他大会よりも抑えられていました。
その他にもユニット除去カードが移動系に集中しているため、「レイ・ザ・バレル(CH-S104)」等の移動しないカードを投入するのも基本的な対策になります。
「緑単色中速デッキ」
前年度GT優勝デッキとして、多くのプレイヤーに好まれているデッキです。
「赤い彗星(C-129)」等のダメージカードによる「陸戦型ジム(第07MS小隊機)」「Oガンダム」耐性、「一日の長(O-98)」等のドローソースと、環境的に見てもかなりのスペックを持ったデッキであると言えます。
しかしながら、「青赤OOデッキ」は「周辺警護」をほぼ間違いなく使っているため、「一日の長」に頼りづらくなっている事や、「ガンダムヴァーチェ」等の4国力OOユニットにはカードを複数使わないと除去ができない事で、以前よりも環境に合わせたチューンがされていなければ勝ち抜けるデッキとは言い難いでしょう。
今回結果を残しているデッキもGT優勝デッキとは、多少異なったパーツが組み込まれており、ユニットの単体除去が多い「青赤OOデッキ」に対抗し、展開力アップのために「ブリッツクリーク(C-118)」が使われたものや、メインから「ボッシュ(CH-173)」が組み込まれています。
また、デュアルユニットである分強力な効果を持った「アヘッド近接戦闘型『サキガケ』(SP-72)」を投入したパターンもありました。
「白単色重速デッキ」
「緑中速単色デッキ」と同様に前年度GT以降着々と使用者を増やしているデッキです。
このデッキはユニットの持つパワーと、「切り開く力(C-S16)」によって、対戦相手のゲーム展開を遅らせて自分の土俵で勝負するデッキです。
基本構成自体はどのデッキも同様で、その中のコントロール要素として「ムルタ・アズラエル(CH-S121)」と「慈愛の眼差し(C-9)」のコンボを導入したタイプか「ヴォワチュールリュミエール(C-S87)」を使った2タイプです。
また、「彼方からの来訪者(C-3)」等の移動系カードが多い分「レイ・ザ・バレル(CH-S104)」は、ほとんどのデッキで2枚採用されています。
逆に移動系の除去カードが多くなったため、これまで白の中盤を支えていた「ストライクノワール(U-S140)」を使用した相手の攻撃に対し受け返す戦略が難しくなり、「ストライクノワール」が確定3枚だった構成から、「ストライクノワール」以外にも「デュエルガンダム(U-S197)」「アカツキ(U-178)」といったカードが使われるパターンのデッキも増えています。
ちょっと変わったタイプのデッキとしては、デッキの形はこれまでと大差がありませんが、タメGである「歌姫の騎士団(G-S54)」だけをGとして入れたG6デッキもあり、その分空いたスロットにキャラクターやオペレーションを増量し、デッキパワーを上げたタイプもありました。
「青茶OOデッキ」
基本的なベースは「青赤OOデッキ」と同じですが、茶と組み合わせることで「風雲再起(CH-35)」を採用しユニット戦に優位に立ったり、「A.W.(O-X38)」と「ガンダムF91(ハリソン機)(U-352)」のコンボや「宝物投棄(C-6)」「破滅の終幕(C-9)」で全く別の勝ち筋を持ったデッキです。
●主要デッキの入賞者人数
(大会名横()はGT権利獲得人数)
|
札幌大会(10) |
仙台大会(16) |
広島大会(20) |
名古屋大会(36) |
青赤OOデッキ |
4 |
5 |
8 |
6 |
緑単色中速デッキ |
1 |
1 |
1 |
5 |
白単色重速デッキ |
0 |
1 |
0 |
5 |
青茶OOデッキ |
0 |
1 |
0 |
0 |
|
|
● コンボデッキ |
CS大会開始とともに、一大勢力となった「青赤OOデッキ」に当初もっとも勝ちやすいと予想されたのが、場の状況に左右されずに勝利することが可能な「コンボデッキ」です。
下記のリストにあるように今期のコンボデッキの種類は様々で、コンボを開始したそのターンで勝つタイプだけでなく、相手の場をロックして何もさせないタイプもありました。
「赤茶存在しない人間」
「存在しない人間(O-C10)」を中心にし、ジャンクヤードから「ディビニダト(U-C71)」や「インプルース・コルニグス(U-C107)」を出すデッキです。
過去にあった「存在しない人間」を使ったデッキは、重量級ユニットを場に出した後に「存在しない人間」を破壊する事で、出したユニットを残すデッキでしたが、このデッキは「介入行動(C-OO3)」を使い、汚染コインを5個与える「ディビニダド」で連続で攻撃する事に主眼が置かれていました。
もちろん「インプルース・コルニグス」が連続で攻撃するだけでも、本国の許容ダメージが少ない、「青赤OOデッキ」に勝利する事ができたのではないでしょうか。
「赤茶正義破滅」「青茶雨天破滅」
「破滅の終幕」と「正義の女神(SPC-30)」のコンボで場に自分のユニットだけを残し、一方的に勝利するデッキです。
特に名古屋大会で入賞したデッキは特筆すべき点があり、これまで単純にユニットとして強かった「ガンダムエクシア(U-OO1)」を排除し、「青赤OOデッキ」に強いユニットである「ガンダムナドレ(U-OO12)」や「ダブルオーガンダム(SP-65)」を採用する事で、コンボへ至るまでに相手のデッキに耐性を持たせた事にあります。
また、「青茶雨天破滅」は「正義の女神」の代わりに「雨天野球場(C-7)」を使用したタイプで、青を選ぶ理由として「謙信ガンダム(U-386)」が投入されています。
「謙信ガンダム」は、ダメージを与えれば与えるほど打点が高くなるので、コンボで使用する以外にも単純に4ターン目にプレイし、敵軍コマンドから「雨天野球場」で守るだけでも展開の遅れたデッキには効果があります。
「辣腕デッキ」
「結婚式(O-32)」と様々な回復カードでドローを強化し、そのドローしたコマンドと「辣腕(C-91)」でターンを得続けるデッキです。
サイドボードの「ドロシー(CH-90)」は、「月面民間企業」を抑える事が可能です。
「自爆ジオ」
「コンボデッキ」としては昨年のGTでも数多く存在しており、、「コンボデッキ」の中では比較的多くの使用者がいるデッキです。
「青赤OOデッキ」の対策として「木星圏からの出発(O-16)」「隠された翻意(O-36)」が共に投入され、序盤のダメージとドローアドバンテージの2つを防ぐことが可能となっています。
デッキポテンシャルでも相性は良いのですが、「木星圏からの出発」に対する「周辺警護」と、コンボの始動が遅いため、「内憂外患」等のカウンターをどう潜り抜けるかが、勝負どころとなっていました。
「赤白TR退艦」「青白咆哮退艦」
「赤白TR退艦」は昨年のGTで現れた「ガンダムTR-1〔アドバンスド・ヘイズル〕(U-168)」と「退艦許可(C-S104)」を組み合わせ、1ターンで勝利するコンボデッキです。
「青白咆哮退艦」も同様のコンボデッキですが、「ガンダムTR-1〔アドバンスド・ヘイズル〕」の変わりに「烈火の咆哮(C-86)」が使われています。
赤に比べて青のドローソースは力不足な所がありますが、コンボ枚数が少ないのがポイントです。
この2つのデッキは、最速3ターン目に起動する事ができるのが特徴で、相手が対策を整える前にコンボを始動し、勝つことも可能です。
「黒赤圧力ロック」
「政治的圧力(O-11)」と「摂政の演説(O-12)」を組み合わせた国力ロックデッキです。
「青赤OOデッキ」の流行に伴い、使用率の上がった「月面民間企業」にはどちらか単体でも効果があり、環境にあった選択といえます。
この他にも「野望の毒牙(C-24)」や「洗脳教育(O-1)」で相手の行動を抑えつつ「ガンダムヴァーチェ」や「ガンダムスローネアイン(SP-62)」といったユニット除去を内蔵した、強力ユニットで勝利します。
「恫喝戦争デッキ」
「ドロシー」と「機体の旧式化(O-92)」で敵軍ユニットをロックし、最終的には「恫喝(C-14)」からの「私の戦争(C-1)」で勝利します。
「機体の旧式化」は4国力のカードですが、この1枚で戦闘ダメージを抑え、「Oガンダム」等の効果を起動する事ができなくなり、さらに「ドロシー」と組み合わせればダメージを0にすることも可能です。
また、「ドロシー」は先にも触れたとおり「月面民間企業」を無効化する事ができますので、「青赤OOデッキ」のスピードを遅らせる事で、コンボ達成までの時間を得ることに一役買う事ができます。
このデッキでは、それ以外にもユニットを無効化するカードが「魂の輝き(C-4)」を含め多く投入されており、最終的な勝ち筋はコンボですが、そこに至るまでは「コントロールデッキ」のような動きとなっています。
「青赤反抗失地」
「反抗拠点(O-45)」と「失地回復(O-96)」のコンボにより本国が0でも敗北しない状態を作り出すデッキです。
本国が0でも敗北しないので、「中速デッキ」のようなビートダウンデッキだけでなく、「自爆ジオ」や「退艦許可デッキ」のようなタイプのコンボデッキにも敗北することがありません。
「周辺警護」のようなオペレーション破壊に対しては「内憂外患」等のカウンターカードで対処し、最終的には「GNドライブ(O-OO6)」や「ガンダムキュリオス(デュナメス搭載時)(U-OO13)」と言った、除去されづらいカードや防御されにくいカードで勝利します。
「第7次宇宙戦争デッキ」
おなじみのデッキタイプではありますが、基本的な構成はそのままで、「赤茶正義破滅」と同様に「破滅の終幕」と「ハンガー」をキーとした構成が、それ自体で強力なコンボとなっているのが勝因と思われます。
●コンボ系デッキの入賞者人数
(大会名横()はGT権利獲得人数)
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札幌大会(10) |
仙台大会(16) |
広島大会(20) |
名古屋大会(36) |
赤茶存在しない人間 |
1 |
0 |
0 |
0 |
赤茶正義破滅 |
0 |
1 |
1 |
2 |
青茶雨天破滅 |
0 |
0 |
1 |
0 |
辣腕デッキ
|
0 |
1 |
0 |
0 |
自爆ジオ
|
0 |
1 |
1 |
0 |
赤白TR退艦
|
0 |
0 |
1 |
0 |
青白咆哮退艦 |
0 |
0 |
1 |
0 |
黒赤圧力ロック
|
0 |
0 |
1 |
0 |
恫喝戦争デッキ |
0 |
0 |
0 |
1 |
青赤反抗失地
|
0 |
0 |
0 |
1 |
第7次宇宙戦争デッキ |
0 |
0 |
0 |
1 |
|
|
● ビートダウン系デッキ |
今期のCS大会は「コンボデッキ」と同様に様々なタイプの「ビートダウンデッキ」がありました。
特に名古屋大会では、その種類が一気に増加し、これまでに見たことの無いデッキも入賞しています。
これらのデッキもやはり「青赤OOデッキ」の流行に合わせた構成やチューニングが施されていました。
「ガンダムデッキ(鋼鉄型)」「青黒ガンダムデッキ」「青赤ガンダムデッキ(SD型)」
今期のCS大会で入賞した「ガンダムデッキ」は、その全てが混色型のデッキとなっており、本来の青単型が持つ安定性で勝負するよりも、デッキの決定力を上げる方向にシフトしているようです。
これは「青赤OOデッキ」も「ガンダムデッキ」と同じ国力帯で動くので、同じターンで動いていると、ユニットサイズや除去カードで処理される懸念があるためだと思われます。
「ガンダムデッキ(鋼鉄型)」
前年度GTで登場したデッキタイプで、「アナハイムエレクトロニクス(O-17)」で国力をブーストし「ガンダム(U-347)」で展開したあとに「鋼鉄の七人(C-C27)」でキャラクターをセット、その打点とキャラクターのテキストを活かし圧倒的に優位な場を展開します。
「鋼鉄の七人」までが、きれいに決まると勝負は決したも同然ですが、「鋼鉄の七人」のプレイを無効にされたり、カットで「切り開く力」等の国力無効カードで効果を無効化される所が弱点の一つです。
「青黒ガンダムデッキ」
「報道ガンダム」と言われるタイプのもので、「ガンダム」の展開力と「報道された戦争(C-7)」を合わせて使うことで、盤面上の有利を確実なものとします。
このタイプのデッキでは、国力ブーストカードはその隙間を作ることが難しく、あまり投入されていませんでしたが、今回入賞したこのタイプのデッキは全て何らかの国力ブーストカードが使われています。
「青赤ガンダムデッキ(SD型)」
このデッキは「ガンダムデッキ(鋼鉄型)」の「鋼鉄の七人」とキャラクター周りを全て「特徴:SD」を持つカードと「異世界からの使者(SPC-35)」に変更したものです。
「アナハイムエレクトロニクス」による国力ブーストも変わらずに組み込まれていますが、デッキエンジンの最大の特徴として「知られざる全容(C-C6)」が挙げられます。
このデッキでは「ガンダム」を引くだけでなく、追加コストで廃棄した「特徴:SD」を持つユニットを「異世界からの使者」で場に出すことができます。
「ナイトガンダム(U-124)」により「ガンダムデッキ(鋼鉄型)」以上の打点を弾き出すことも可能で、「ガンダム」と「異世界からの使者」の2通りの勝ち筋があるデッキといえます。
「青赤スピードキング」
このデッキは「青赤OOデッキ」より前にあったデッキタイプです。
序盤のカードの構成要素は「青赤OOデッキ」と変わりませんが、多くの「青赤OOデッキ」が持つ場のコントロール能力を排除し、打点に特化した形となっています。
今回このデッキが再び注目されたのは、「青赤OOデッキ」の流行と、それが持つ「本国許容ダメージの少なさ」という弱点を突いたデッキだからと言えます。
主力のユニットの「スピードキング(U-C105)」や「ガンダムアヴァランチエクシア(U-OO17)」は、防御のしにくいユニットで、それらのユニットに「怒号(C-15)」をプレイすることで、2桁のダメージを一気に与えることができます。
そのほかにも「血の宿命(C-5)」も投入され、デッキ回転のスピード自体は「青赤OOデッキ」と同じでありながらも、相手の本国を直接狙う構築となっています。
「青赤ディープストライカー」
「ZプラスC1Bst型(U-380)」の効果で、戦闘力が高く、制圧能力のある高機動ユニット「Sガンダム(ディープ・ストライカー)(U-381)」を早出しするデッキです。
これらの組み合わせ以外は基本的にドローカードとカウンターカードですが、「ZプラスC1Bst型」の効果は交戦していれば敵軍ターンにも起動するので、「青赤OOデッキ」の必須除去カードともいえる「彼方からの来訪者」でデッキの上に戻った「Sガンダム(ディープ・ストライカー)」を「ZプラスC1Bst型」が防御に出撃できる状態ならは確実に回収する動きが可能となっています。
「青緑ラストシューティング」
このデッキも基本パーツとして「陸戦型ジム(第07MS小隊機)」「Oガンダム」が採用されていますが、「青赤スピードキング」と同様に、コントロールよりも防御しづらい構成の打点に特化したデッキです。
このデッキでは「ガンダム(ラストシューティング)(U-321)」による攻撃が鍵となっており、本国への直接的なダメージと「ガンダム(ラストシューティング)」打点アップのために「世界の再編(C-OO8)」が採用されています。
「青単色中速デッキ」「青単色SDデッキ」
「ガンダム6号機(完成形態)(U-301)」等の青の4国力帯ユニットのデッキに新たに「謙信ガンダム(U-386)」と「信玄ガンダム(U-385)」を投入した、「青単色中速デッキ」と、そこからさらに「信玄・謙信」方面にシフトしたのが、「青単色SDデッキ」です。
特に名古屋大会優勝の「青単色SDデッキ」は、その「軍勢コイン」による打点アップ効果から、「ガンダムデッキ」以上に早だし方向に特化したタイプになっており、メタ対象である「青赤OOデッキ」よりも早くスタートし、そのスピードと打点で押しきる構成となっています。
「茶単色MFデッキ」
これまで「MFデッキ」は、成立したセットグループを、どのように守るかに重点が置かれていましたが、「コントロールデッキ」に対しては後一歩届かず、勝ちきれない状況が続いていました。
しかし、今期は「青赤OOデッキ」の流行が「赤黒コントロールデッキ」のような純粋な「コントロールデッキ」の天敵となり、環境の「コントロールデッキ」の数が減少したため、「茶単色MFデッキ」は、これまでよりセットグループを維持しやすい環境になったこともあり結果を残すことに成功しました。
「緑ウィニー」
入賞した2つの「緑ウィニー」は「鬼気迫る攻撃(C-110)」を使用した「焼きタイプ」と、「モニク・キャデラック(CH-189)」を使用した「1枚制限タイプ」です。
どちらも「赤い彗星」等のダメージカードを搭載しているため、「陸戦型ジム(第07MS小隊機)」「Oガンダム」の処理はしやすいですが、「ガンダムヴァーチェ」が出ると一気に攻め手が不足する可能性が高く、「ガンダムヴァーチェ」に対応できるかどうかが勝負どころです。
「黒ウィニー」
このデッキは前年度GT入賞デッキとは異なり、単体の高機動ユニットを強化し攻撃するデッキです。
このデッキも「政治的圧力」を搭載し、相手の展開を遅らせることを重視しており、「マトッシュ(CH-46)」も合わせてGロール要因として使われていました。
他にも「エリアルド・ハンター(CH-48)」や「ルペ・シノ(CH-Z9)」がコマンド対策として投入されており、かなり「彼方からの来訪者」等を意識した構成となっています。
●ビートダウン系デッキの入賞者人数
大会名横()はGT権利獲得人数
|
札幌大会
(10) |
仙台大会
(16) |
広島大会
(20) |
名古屋大会
(36) |
ガンダムデッキ(鋼鉄型) |
1 |
0 |
1 |
2 |
青黒ガンダムデッキ |
0 |
1 |
0 |
1 |
青赤ガンダムデッキ(SD型) |
0 |
0 |
0 |
1 |
青赤スピードキング
|
0 |
1 |
1 |
1 |
青赤ディープストライカー
|
0 |
0 |
0 |
1 |
青緑ラストシューティング
|
0 |
1 |
0 |
0 |
青単色中速デッキ
|
0 |
0 |
1 |
0 |
青単色SDデッキ
|
0 |
0 |
1 |
1 |
茶単色MFデッキ |
0 |
0 |
0 |
2 |
緑ウィニー |
1 |
0 |
0 |
1 |
黒ウィニー |
0 |
0 |
0 |
1 |
|
|
|
● コントロールデッキ |
「青赤OOデッキ」の流行を受けて、一気に使用者の減ってしまったのが「赤黒コントロール」を筆頭とする「コントロールデッキ」です。
そもそもコントロールデッキは、一枚のカードで多くのアドバンテージを取る必要がありましたが、「青赤OOデッキ」は、「コントロールデッキ」側が取る以上のアドバンテージを序盤から持ち、「Oガンダム」に至っては主力となる「OOユニット」や「ドローソース」が逆に使われる事も多く、天敵ともいえるデッキですが、「コントロールデッキ」側も以前ほどではありませんが突破者もおり、デッキ構築によってはまだ十分に勝てるポテンシャルは持っています。
「赤黒コントロール(タッチ緑含む)」
これまで、「OOユニット」で中盤を耐えて、「ジ・オ(U-129)」で逆転と言った動きをしたこのデッキでしたが、「青赤OOデッキ」の流行と「ガンダムデッキ」の減少から「ガンダムエクシア」等による「ユニットコントロール」から「魂の輝き」を主軸とした「コマンドコントロール」に戻りつつあります。
また、異なるタイプとして、「ガンダムエクシア(トランザムモード)(U-OO18)」と「トランザムモード(O-OO9)」を中心とした5国力まででデッキを動かすタイプも入賞しており、こちらは「コントロールデッキ」よりも「中速デッキ」に近い動きを意識して組まれており、メインから「野望の毒牙」が3枚投入され、特殊G破壊や「転向(O-4)」対策となっていました。
「黒茶輝き」
このデッキも「赤黒コントロール」と同様に「魂の輝き(C-4)」が有効な環境になった事が結果に結びついたと言えます。
勝ち筋の一つとなる「マスターガンダム(U-G14)」素の状態で「彼方からの来訪者」や「転向」に耐性があるところも良い点です。
基本の色は緑、黒、茶の3色ですが、このデッキにも「野望の毒牙」は投入されており、ここからも特殊G破壊が有用な環境だったと言えるでしょう。
「赤単色コントロール」
デッキとしては「カウンタークスイー」に近いタイプですが、ユニットは「インプルース・コルニグス」
と「レコード・ブレイカー(U-C93)」が中心となり、ドローソースとして「エウロペ・ドゥガチ(CH-C49)」「モルゲンレーテ(G-9)」のコンボが内蔵されています。
このデッキのコントロール要素は主に「転向」や「エスコート(C-59)」ですが、高機動ユニットのみのユニット構成や「血の宿命」も投入され、「コントロールをし続けて勝つ」と言うよりも、「コントロール要素はユニットを出すまでの延命で、相手の本国の枚数で追いつける状況にし勝つ」という感じとなっていました。
「4色コングロマリッド」
青・緑・黒・赤の4色で組まれた「コングロマリットデッキ」です。
使われているカードには「赤い彗星(C-129)」「魂の輝き」「彼方からの来訪者」など、多くの有用コントロールコマンドが含まれ、ここまでの枚数があれば「青赤OOデッキ」に対してもコントロールしきれると思われる構成となっています。
●コントロール系デッキの入賞者人数
(大会名横()はGT権利獲得人数)
|
札幌大会(10) |
仙台大会(16) |
広島大会(20) |
名古屋大会(36) |
赤黒コントロール(タッチ緑含む) |
2 |
1 |
0 |
2 |
黒茶輝き |
0 |
1 |
0 |
0 |
赤単色コントロール |
0 |
0 |
1 |
1 |
4色コングロマリッド |
0 |
0 |
0 |
1 |
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■「メタゲームと新デッキ」
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2009年度チャンピオンシップ大会〔第一期〕の前半は「青赤OOデッキ」がメタゲームの中心となり、大会環境としては「青赤OOデッキ」対「その他のデッキ」と言っても良い構図となっていました。
「青赤OOデッキ」は非常に完成度が高く、メタゲームの対象でありながら、その強力な構成は打ち崩しずらく、「広島大会」まではほぼ上位を独占する結果でした。
しかしながら、「名古屋大会」で「青赤OOデッキ」に対応したデッキ構築と「DXTS」からの新規カードの参入により、新たなデッキが多く誕生し、初めて「青赤OOデッキ」の強固な牙城に遂に穴を空ける事となりました。
残る大会は「東京大会」、「福岡大会」、「大阪大会」となりますが、依然としてデッキとして強力な「青赤OOデッキ」と、その他のデッキの傾向がどう変遷していくのか、注目したいところです。
次回の「GW通信」もお楽しみに!!
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